有賀歯科医院 ニュースレター No.18

日ごとに暖かさを感じられるようになりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
有賀歯科医院に来院されているみなさんに、ニュースレターを通じてより健康への関心が高まり、良い刺激となれば嬉しいかぎりです。
今後も頑張って作っていきますので、是非楽しみにしていてください。

「オーラルフレイル」という言葉をご存じでしょうか。

「オーラル(oral)」とは「口腔」という意味、「フレイル(Frailty)」とは「虚弱」「年齢に伴って心身の活力が低下する状態」という意味です。

つまり「オーラルフレイル」とは食べ物を満足に咬むことができない、飲み込みづらい、食べこぼす、むせる、口が乾く、滑舌が悪いなど口の機能が衰える状態のことを言います。

食べ物が食べにくくなれば、栄養状態も悪くなり、身体全体の機能も低下します。
脳機能の衰えは認知症を招くことにもなりかねません。
滑舌が悪くなると人と話すのが面倒になり、社会的に孤立してしまうこともあります。

「オーラル・フレイル」はやはり高齢者によく見られる状態ですが、最近では、やわらかい食べ物ばかり食べたり、よく咬まないで飲み物で流し込むような食生活を送る、中年・若年層にも拡がってきています。

よってお口の機能の低下を防ぎ、回復させることが身体全体、ひいては精神的な健康につながっていくのです。
今回はこの「オーラルフレイル」を予防するための効果的な対処方法についてご紹介します。

オーラルフレイルの段階

オーラルフレイルの段階

つまり、歯が少なくなると食欲が低下して、エネルギーの摂取量が減少します。
(歯が少なくてもよく咬める入れ歯を入れていれば問題はありません)
咬み合わせが悪かったり、よく咬めないことも、たんぱく質などの摂取量の低下、低栄養リスクにつながっていきます。
さらに、握力や歩行機能も低下してきます。

オーラルフレイルの対処法

1.早食いはやめて、よく噛んで食べる(一口30回噛み)唾液分泌↑

2.歯がないところは、ブリッジ・入れ歯・インプラントなどを入れて左右均等に噛めるようにする。

3.入れ歯の方はきちんと咬めるようにして、はずした状態で咬むことはしない。
(はずしたままだと食べ物がだんだん飲み込みにくくなってくる)

4.たんぱく質(肉・卵・乳製品など)をしっかり摂って栄養をつける

5.意識して唾液を飲み込む→食べ物を飲み込む力をつける

6.よく会話する(歌を歌う)→口の周りの筋力をつける

7.必要に応じて、唾液腺のマッサージ・唇・舌・口の周りの筋肉の運動をする

(下図【健口体操】)

顔・舌の体操とストレッチ

食べるという動作は、身体のさまざまな部位が連携して行われますが、中でも唇と頬、舌の動きが重要です。
頬の動きがよくないと舌の動きも抑えられ、咀嚼運動が妨げられます。
安全に食べるためには、ストレッチによって筋肉をリラックスさせ、動きをよくすることが大切です。

【健口体操】 口輪筋、咬筋、頬筋などの動きを良くするための運動です。

顔・舌の体操とストレッチ

さくら餅いつまでも元気な高齢者の方はお口の状態を健康な状態に保っています。

健康長寿のために、「オーラル・フレイル」の兆候を早めに察知して、
それに合った対策をしていきましょう!