有賀歯科医院 ニュースレター №8

日を追うごとに寒くなってきますが、いかがお過ごしでしょうか?

ところで、あなたはどのような食べ物がお好きですか?

美味なものを左右の歯でよく噛みしめ、舌で味わう。こうして自分の口で食べるということは、だれにとっても生きる楽しみの1つです。

いつまでも楽しく食事ができるよう、お口の中を清潔に、そして健康に保ちましょう。

さて、今回は少し歯のことから離れ、骨粗鬆症についてお話したいと思います。骨粗鬆症は女性に多い病気ですが、男性だから心配ないというわけではありません。ぜひ適切な生活習慣を心掛け、病気にならない体づくりをしておきましょう。

骨粗鬆症とは

骨骨はカルシウムやリン、タンパク質からできていますが、この中で骨を硬くする成分がカルシウムです。

体の中にあるカルシウムは99%が骨や歯に含まれていますが、心臓を動かしたり、骨格を動かすためにもカルシウムは使われます。

血液の中にもカルシウムが存在し、食物などからカルシウムを摂取することで血液中のカルシウム量を一定に保っています。しかし、血液中のカルシウムが不足すると、その分だけ骨から取り出して使ってしまうのです。

こうして骨量が減少し、骨にスが入ったスカスカでもろい骨になってしまいます。

これが骨粗鬆症です。

骨粗鬆症になると、骨が体を支える本来の強さを保てず、ちょっとしたはずみで骨折しやすくなります。高齢者では骨折が原因でそのまま寝たきりになるケースが少なくありません。

骨粗鬆症にならないために

骨粗鬆症にならないために一番大切なことは、カルシウムを十分にとることです。
日本人成人の1日に必要なカルシウムの量は600mgです。

カルシウムのとり方については後述しますが、カルシウムを骨に蓄えるためには運動も必要です。適度な運動は骨の新陳代謝を活発にし、カルシウムが骨に定着するのを助けます。毎日10~20分でもいいので、お散歩でもしてみたらいかがでしょうか。

また、吸収されたカルシウムが効果を発揮するためには活性ビタミンDが必要となります。これは食品からとるビタミンDと、皮膚が紫外線を受けてできる活性型ビタミンDをもとにしています。

女性ホルモンはカルシウムの吸収を助ける働きをしてくれる大切なホルモンなのですが、閉経すると女性ホルモンの分泌が低下するため、女性は骨粗鬆症になりやすくなります。できるだけ早いうちから骨量を蓄えるために、十分なカルシウムをとるように心がけましょう。

カルシウムの多い食品とその摂り方

牛乳やヨーグルトカルシウムは牛乳やヨーグルトなどの乳類、煮干しやいわしなどの魚介類のほか、豆類や、海草類にも含まれています。

下の表にはカルシウムを多く含む食品が挙げられています。

表に100g当たりのカルシウム含有量が記載されていますが、ここで注意することは、すべてが体内に吸収されるわけではないということです。乳製品の吸収率は40%程、魚介類は30%程、ほうれん草や小松菜は20%くらいです。

カルシウムの摂りやすい食品は「牛乳」と「乳製品」が第一に挙げられます。「乳製品」ではチーズやバター、ヨーグルト、スキムミルクなどもほぼ牛乳と同様にカルシウムが摂れます。

カルシウムを多く含む食品

注意! カルシウムを奪う飲食品

男の子◎コーラ

コーラの中に含まれる高リン酸が腸管におけるカルシウムの吸収を減らし、骨からカルシウムを吸収させ、全身の骨が溶けていきます。リン酸はカルシウムの吸収を阻害する作用があります。

◎砂糖のはいった飲食物

砂糖を分解する際にビタミンBや、体内に蓄えられたカルシウムが奪われます。

◎その他

清涼飲料水、スナック菓子、ハンバーガー、食塩、アルコール、カフェイン飲料の摂り過ぎにも注意が必要です。

飲食品以外にも、タバコ、運動不足、日光不足、ダイエットのし過ぎ、過剰なストレスも体からカルシウムを奪います。

今回骨粗鬆症についてお話してきましたが、重要なことはまず、 これ以上あなたの体の中のカルシウムを減らさないことです。

つまり、リン酸や砂糖を含む食べ物はなるべく避け、その上でカルシウム食品を摂り、ビタミンD、適度な運動なども考慮していくということです。

これは骨粗鬆症に限らず、歯周病(歯の周囲の歯槽骨が溶ける)の予防にも言えることなので、あなたも十分に気をつけて、これからもずっと健康的な生活を送っていってくださいね!