あなたは甘いものがお好きですか?
ほとんどの方は「好きです!」とお答えになるでしょう。
チョコレート、ケーキ、スナック菓子、ジュースと甘くておいしい食べ物、飲み物が世の中にはあふれるほどあります。
これらに記載されている原材料名には、ほとんど「砂糖」と表記されています。
糖の働きと種類
砂糖は様々な疾患と関係し、むし歯、歯周病とは特に密接な関係がありますので、今回は砂糖の話題に触れてみたいと思います。
砂糖はエネルギー代謝や脳の働きに影響され、疲労回復に効果があったり、頭の回転が良くなると言われています。
また低血糖状態にならないためにも必要なものです。
でも砂糖は気をつけないと知らず知らず量が増えていき、むし歯、歯周病、肥満、糖尿病、うつ病、冷え性のリスクが高まります。
まずは特にむし歯に焦点を当てて、糖の種類についてお話していきます。
糖にもたくさん種類があって、下図にようにむし歯になりやすい糖となりにくい糖があります。
むし歯になりやすい糖とむし歯になりにくい糖
砂糖が血液に及ぼす影響
砂糖がむし歯の原因であるということは周知の事実ですが、その他にどのような悪影響があるのでしょうか?
甘いものが特に大好きな人は、細菌やウィルスに対する抵抗力が弱くなります。
私たちの身体には病気に対して抵抗する力、治そうとする自然治癒力が備わっています。
その役割は主に血液が関与しますが、なかでも血液の中の白血球が体内に侵入してきた細菌やウィルスを素早く発見して食べてくれます。
でもこの大切な作用も砂糖を摂り過ぎることによって、白血球の細菌を食べる力が弱められてしまうのです。
つまり砂糖は血液を汚し、流れも悪くして、白血球の能力を驚くほど低下させ、病気に対する抵抗力、治癒力を低下させてしまうのです。
砂糖が骨に及ぼす影響
本来血液はアルカリ性ですが、強い酸性食品の砂糖が過剰に摂取されると血液が酸性になります。
この酸性化した血液を元の状態に戻す働きをしてくれるのがカルシウムです。
ところが、強い酸性食品である砂糖を習慣的に必要以上に摂取すると、細胞や筋肉内にあるカルシウムでは間に合わず、血液の酸性化を防ぐために歯や骨を溶かしてカルシウムを集めて中和することになるのです。
その結果、歯の質は弱くなり、歯を支えている骨が溶けてしまうので、むし歯だけでなく歯周病も悪化してしまいます。
さらに骨が溶けてしまうわけですから、骨粗鬆症も進んでしまうことになります。
砂糖との上手な付き合い方
- 砂糖の含まれた食べ物や飲み物をやめることは到底できませんから、甘いお菓子やジュースは一日に何回もとらず、またダラダラ食べたり飲んだりすることはやめましょう。
- むし歯になりにくい糖(甘味料)をとるのが一番いいのですが、そういう製品はガム・キャンディ・チョコレートなど非常に限られています。
歯のブラッシング、クリーニング、そしてキシリトール入り(できたら純度100%)のガムを咬んで、予防に力を入れましょう。
※入れ歯の方、ガムが苦手な方はキシリトール入りのキャンディ(タブレット)がおすすめです。
キシリトールタブレット
3.むし歯菌(主にミュータンス)がもともと多い方が砂糖を多量に摂取すると、むし歯になるリスクがかなり高まります。 むし歯菌が多いか少ないかがわかる検査を受けていない方は、一度調べてみてはいかがでしょうか!
むし歯原因菌の数を検査するキットの一部
甘いものを食べると本当に幸せを感じます。
でも砂糖中毒にならないよう、ほどほどにして、あなた自身の歯や身体を守ってください!