有賀歯科医院 ニュースレター No.25

まだ寒さが残りますが、みなさまはいかがお過ごしでしょうか。
有賀歯科医院に来院されているみなさんに、ニュースレターを通じてより健康への関心が高まり、良い刺激となれば嬉しいかぎりです。
今後も頑張って作っていきますので、是非楽しみにしていてください。

今回のテーマは

『よく噛める人、よく噛めない人?!』

1 低栄養

食べたいものが食べにくいという状態は、誰もが強いストレスを感じます。

ところが、最初は困ったと感じていても、これが毎日続くと食べやすいものにばかり箸が向くようになってしまって、食べられない状態に慣れてしまいます。

噛めなくなると、麺類やお菓子などやわらかいものを自然と食べるようになり、糖質過多になって血糖値が上昇します

また、にんじんや大根などの根菜類も食べにくくなり、その結果、食物繊維が不足して便秘などの原因になります。

さらに、肉を噛み切ることができなくなるので、知らず知らずのうちに深刻なタンパク質不足になり、筋肉量が減って体力や免疫力の低下につながってしまいます。

つまりきちんと噛めないと低栄養(健康な生活を維持するための栄養が足りていない状態)になりやすくなります。

低栄養

グラフ

低栄養状態になると

  • 体重が自然に減る(特に半年で3kg以上減ったら要注意!)
  • 風邪を引きやすく、なかなか治らない
  • 肌荒れや貧血、口内炎など粘膜に炎症を起こしやすい
  • 転んだりつまずいたりしやすい

脚が細くなった、体重が減ってダイエットできたと喜んでいたら、実はただ単に筋肉量が減っていただけということも珍しくありません。

また、低栄養がきっかけで介護が必要な状態になることもあります。

食べるものに気を使えば

2 認知症

噛めないままでいたりすると、低栄養の他に心配なのが認知症です。

下のグラフを見ていただくと、時間がたつにつれて認知症を発症していく方が増えていきますが、なかでも多かったのが、歯がほとんどなくて入れ歯を使っていない方です。

一方、歯がなくても入れ歯を使っている方の発症率は、歯が20本以上残っていて、自分の歯で食べている方とあまり変わりません。

つまり、歯がない方でも入れ歯をきちんと使ってよく噛むことで、自分の歯があるのと同程度に認知症の予防効果が得られるのです。

追跡調査

噛むことと認知機能には大変密接な関係があり、噛むことによって脳の血流が増え、認知機能が活性化されていることがわかっています。

噛めるお口は低栄養の予防だけでなく、認知症の予防にも大変重要です。

もちろん歯がそろっていても、入れ歯やインプラントを入れていても、やわらかいものばかり食べたり、早食いなどよく噛んで食べない方は、胃腸の消化や脳を活性化することはできません。

「一口30回噛み」と言われるように、なるべくよく噛んで食べる習慣をつけたいものです。

私たちの健康は、私たちが意識している以上に「噛めるか噛めないか」の影響を受けています。

歳をとっても生き生きとした生活を楽しめるアクティブシニアを目指して、働き盛りの頃から歯科の治療と予防指導を受け、大切な歯をしっかり守っていきましょう!