有賀歯科医院 ニュースレター No.29

『免疫力を上げる②』

前号では、細菌や新型コロナウイルスを体内に入れないために、ビタミンA、ビタミンD、亜鉛などを含む食品やサプリメントを積極的に摂取して、目や鼻、口の粘膜を丈夫にする方法についてお話ししました。

今回は運悪く細菌やウイルスが体内に入ってしまった場合について、体の免疫システムとその強化法についてお話します。

免疫の中心となる白血球

白血球皮膚や粘膜のバリアを突破されたときに出番となる白血球による免疫機能。

ここで異物(細菌やウイルスなど)を食い止めないと、体は病に蝕(むしば)まれてしまいますから、
言ってみれば最後の砦(とりで)。免疫の中心となる大事な部分と言えます。

血液の中には、血球(赤血球、白血球、血小板)と液体成分である血漿がありますが、体内に侵入した異物を排除するなど免疫に関する働きをしてくれるのが、血液中の白血球です。

この白血球の働きをよくするためには、どうしたらいいでしょう?

1.十分な水分補給をする

この免疫にとって大事な白血球は、血液の中に存在しながら、全身を巡っています。

もし水分が不足すれば、血液の循環が悪くなって免疫力が低下してしまうので、熱中症予防もかねて、水分補給を十分にしましょう。

十分な水分補給

人間は眠っている間にもコップ1~2杯の汗をかくといわれ、寝ている間もほとんどの方が慢性的に水分不足に陥っています。

「トイレに行きたくないから…」という方もいらっしゃると思いますが、寝る前の適度な水分補給はとっても大切です。

でも残念ながら寝酒は水分補給にはなりません。(むしろアルコールを分解するために体内の水分が使われて、余計に喉が渇くことになりますから…)
寝床に水のペットボトルを置いて、夜中目が覚めたら一口でも飲めば、血液の流れもずっとよくなります。
そして起きたら必ずコップ一杯のお水を飲みましょう!
「喉がかわいた」というときは、もうすでに脱水症状です。からだは一日中水を欲しがっているのです。

2.空腹状態にする⇒おなかがすいたらご飯を食べる

免疫細胞である白血球は、満腹状態では活発に働きません。逆に空腹時ほどパワーアップします。

「食事は3食きちんと食べること」とよく言われますが、食べる量を調節して決して食べ過ぎないように心がけてください。

動物は普段からお腹が空かなければ食べ物を食べませんし、病気になったときはじっとして何も食べません。

これは空腹によって自然治癒力を作り出し、免疫力を上げようとしているのです。

人間も動物と同じように、お腹が空いたら食べることが一番で、それ以外のときに無理に食べる必要はありません。

3.体を酸性にしない⇒弱アルカリ性にする

もともと人間の体は弱アルカリ性ですが、肉や砂糖などの糖質をたくさん食べることが多い現代人は、どうしても酸性に傾きがちです。

体が酸性になると、免疫の要(かなめ)といえる白血球の働きが悪くなります。

また血液の流れが悪くなることで、疲れやすい、朝起きるのがつらいなどといった状態を引き起こし、そのまま放置すればさまざまな病気を招くことにもなりかねません。

口の中も酸性度が強くなると、歯が溶けやすくなり、むし歯が発生しやすくなります。

また酸性化しはじめると、血液は骨からカルシウムを奪って弱アルカリ性に戻そうとします。

その結果、歯を支える顎の骨も溶けて、歯周病が進んでしまったり、骨粗鬆症になりやすくなります。

ですので普段から意識して酸性食品よりもアルカリ性食品を多く摂るようにしましょう!

酸性食品…肉や魚、炭水化物、砂糖、加工食品

アルカリ性食品…野菜、果物、きのこ、海藻、大豆、梅干し

アルカリ性食品

ただし、酸性食品である肉や炭水化物は私たちのエネルギー源として必要なものですから、あくまでも食べ過ぎなければ問題はないと思います。

以上、細菌やウイルスを退治してくれる白血球を十分に機能させる方法についてお話ししました。

ぜひ、これらのことを普段から実行して、あなたの免疫力をアップさせてください!