有賀歯科医院 ニュースレター №2

2013.2.1発行

冬の寒さも厳しくなりましたが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか?

冬は特に、風邪やインフルエンザ、ノロウイルスなどの感染症に注意しなければならない季節です。これらを予防するためには、うがい、手洗い、マスクの着用がとても効果的です。

また、これらの病気は歯と同様に、ストレスや疲労などで体が弱ると発症しやすくなります。栄養と休養を十分に取り、一日一日を健康に過ごしましょう!

知っておきたい感染症

○インフルエンザとは

のどの痛み、咳、鼻汁に加え、悪寒、倦怠感、38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛など、全身の症状が強いのが特徴です。これらの症状は2~3日続きますが、場合によっては1週間近くかかることもあります。さらに、乳幼児や高齢者では肺炎や脳炎などを合併することもあります。感染経路は感染者の咳やくしゃみに含まれるウイルスを吸い込むことと、つり革やドアノブから手についたウイルスが口に入るなどです。インフルエンザには予防ワクチンがあるので、早めに接種して抗体をつくっておくことが効果的です。

○ノロウイルスによる感染性胃腸炎とは

下痢や吐き気、嘔吐、腹痛などの症状が1~2日続きます。発症しない場合や軽症ですむ場合もありますが、子供や高齢者は重症化しやすい傾向があります。感染経路は手や食べ物についたウイルスが口に入るだけでなく、感染者の汚物が乾燥してウイルスが空中に漂い、それを吸い込むことで感染することもあります。
予防ワクチンはないので、帰宅後や食事前、トイレの後は十分に手を洗いましょう。また、食品は十分に加熱し、調理器具を清潔に保ちましょう。

< 正しいうがい・手洗いの仕方 >

正しいうがい・手洗いの仕方


○うがいの仕方

小さめのコップに1/3程度の水(20ml~40ml)を口に含み、少し強めに15秒ぶくぶくと頬を動かしてゆすぎ、吐き出します。次に同量の水を口に含み、のどの奥まで水が届くようにアゴを上げて、15秒がらがらうがいをします。さらにもう一度15秒うがいをします。1日2~3回が目安ですが、帰宅後は特に念入りに行いましょう。冷たい風はのどや鼻の粘膜を乾燥させ、細菌やウイルスに感染しやすくなります。

○手洗いの仕方

手洗いでは爪の間や指のまた、親指のまわりに汚れが残りやすいです。まず手を水でよくぬらし、石鹸を手の平全体に広げます。しっかりと泡立てながら念入りに手の甲や手首まで洗い、水で十分に洗い流します。固形石鹸よりも液体石鹸の方が流れがよく効果的です。

☆マスクの使用

マスクをつけているとくしゃみや咳の飛沫を吸い込むことを防ぐことができます。さらに、のどや鼻の粘膜を保湿・保温してくれます。

粘膜の抵抗力を高めてくれるので、風邪の予防だけではなく、風邪を早く回復させてくれる可能性もあります。マスクはガーゼのものより不織布の方が織り目が細かく効果的です。

歯磨き粉のお話

●歯磨き粉の役割とは?

歯につく汚れには、大きく分けて2種類あります。ひとつは歯科疾患の原因となる歯垢(プラーク)。もうひとつは茶しぶなど食べ物に由来する着色汚れ(ステイン)です。

少し前までは歯磨き粉を使わないで磨くことを勧める歯科医院が多かったのですが、歯磨き粉は徐々に改良され、歯磨き粉を使うことで歯垢の除去率が高まったり、細菌の繁殖を抑制する効果が期待できるようになってきました。また、うっすらついた着色汚れを落とすことができるものもあります。

歯磨き粉は色々なメーカーから販売されており、虫歯を予防するもの、歯石の沈着を予防するもの、炎症を抑える効果のあるもの、知覚過敏を改善させるものなど、歯磨き粉によって入っている薬用成分が違います。よって、自分に合った歯磨き粉を選択すると良いでしょう。

●自分に合った歯磨き粉を選ぶには?

自分が虫歯を予防すべきか、歯周病を予防すべきかなど、歯磨き粉を使用する目的を考えてみましょう。子供の時は生えてきた歯を虫歯から守ることが大切ですし、思春期では歯肉炎になりやすくなります。また、成人すると歯周病予防に力を入れていかなければなりませんし、歯茎が下がって露出した歯の根は虫歯にもなりやすくなります。

このように、人には年齢ごとにライフステージがあります。そのライフステージに応じて歯磨きの目的・歯磨き粉に期待する効果は少しずつ違ってきます。

ちなみに、虫歯予防の場合は歯の質を強くするフッ素(フッ化ナトリウム・モノフルオロリン酸ナトリウム・フッ化第一スズ)の入った歯磨き粉歯周病予防の場合は歯周病菌を抑制する成分(トラネキサム酸、イソプロピルメチルフェノール、塩酸クロルヘキシジン等)の入った歯磨き粉を使うとよいでしょう。各成分は歯磨き粉本体の裏側に書いてあるので、確認してみてください。

●効果的な使い方は?

歯磨き粉には適切な量があり、効果的に使うには大体1センチほどといわれています。
沢山歯磨き粉をつけて磨くと、お口の中が泡でいっぱいになり、長く磨くことが難しくなります。また、研磨剤の含まれている歯磨き粉で長時間磨きすぎると、歯が削れる恐れもあります。できるだけ最初は歯磨き粉をつけずに一通り磨き、よくすすいでから、もう一度歯磨き粉をつけて磨くようにしましょう。最後にゆすぐお水の量は少なめにするとお口の中に薬用成分が残るので歯や歯茎に効果的とされています。
昔と違って今や歯磨き粉は単に汚れを落としやすくするだけではなく、お口の健康を維持してくれる便利なサポートアイテムです。皆さんもご自分の使っている歯磨き粉を見直してみてください。

うがいと手洗い

歯周病の治療はどのようにするのですか? PART1

患者さんからよくこのような質問をいただきますので、今回から歯周病の治療について説明していきます。

歯周病の三大原因は

  1. 細菌、
  2. 不良な咬み合わせ、
  3. 食べ物、喫煙、ストレスなどの生活習慣です。

特に一番の原因となる細菌を取り除き、減少させることが歯周病治療の主目的となります。

まず歯周病の治療は、どんなときでもブラッシング指導からはいります。「え~、ブラッシングって予防するためのものじゃないの?」と思われるかもしれませんが、プラーク(歯垢)を歯ブラシで除去することにより、

「歯ぐきの腫れが減った」

「出血が少なくなった」ということが多々あります。

これはブラッシングでプラーク(歯垢)を除去することにより、歯周病菌が減少し、歯ぐきの炎症が軽減するからです。

もちろん歯ブラシだけでなく、場合によっては歯磨き粉フロスインタースペースブラシ、コンクールなどの抗菌剤なども併用することも必要でしょう。 ブラッシング法は、歯周病が軽度か中程度か重症かによって変わってきます。 つまり、歯ぐきの腫れ、出血や痛みがあるのか?歯ぐきの下の骨はどのくらい溶けているのか?歯ぐきのぐらつきはどの程度か?・・・などを総合的に見て、あなたに合ったブラッシング法を選択して説明していきます。

また、歯ぐきの状態が変われば、歯ブラシの種類やブラッシング法もそれに合わせて変えていきます。

ブラッシング⇒細菌の除去⇒お口の健康⇒全身の健康

です。

どうか、「またブラッシングか~。」と思わないで、正しい磨き方を身につけてください。

あなたの健康のためですから。 

ブラッシングは毎日する一つの習慣です。

誤ったやり方がしみついてしまうと、なかなかその習慣を自分一人で直すのは大変です。

定期健診で正しい磨き方ができているかどうかチェックするのも重要なポイントとなるでしょう。

次回は、〈 歯周病の治療はどのようにするのか? PART2 〉 ○○○○○編です!

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