3DSとは
3DS(Dental Drug Delirery System)とは、その患者さん専用に作ったオーダーメイドのマウスピースに、特殊な薬剤を注入してお口の中に装着することで歯周病菌に直接作用させ、除菌する治療法です。
3DSは簡単に、しかも痛みもなく歯周病の予防・治療・再発防止に高い効果を発揮します。
3DS治療の流れ
①問診
患者さんのお口の中の状況を詳しくお聞きします。歯ぐきの腫れ、出血、痛み、あるいは歯がぐらついて噛みにくい、口臭がある、など気になっているところ、状態を十分把握して3DS除菌療法をどのように活用していくかの参考とさせてもらいます。
②細菌検査
歯や歯ぐきに付着している細菌を採取して、どのような細菌が生息しているのか、顕微鏡で観察したり、歯周病菌が多いのか少ないのか特殊な検査で調べます。細菌検査の結果が、どんな薬剤を選択するかの判断材料になります。
※なお、初めて当院にいらっしゃる患者さんや、当院で歯周病の検査を受けたことがない患者さんは細菌検査の他に、全体のレントゲン診査、口腔内写真の撮影、歯周ポケットの測定、模型診査などの精密検査が必要となる場合があります。
③マウスピース製作
患者さんの上下の歯型を採って、薬剤を入れるためのマウスピースを作ります。このマウスピースは、当院での除菌治療とご家庭での除菌治療のときに使用します。
※むし歯や歯周病が進んでいる場合は、その治療をしてからマウスピースを作ります。
④歯のクリーニング
歯に付着した歯垢(プラーク)、歯石や着色を特殊な器具を用いて除去します。汚れやバイ菌を除去することによって、薬剤が浸透しやすくなり3DS除菌療法の効果が倍増します。
※場合によっては、歯ぐきに隠れた部分(歯の根っこ)に付いている歯石や汚れ、バイ菌を除去する必要が出てくることもあります。(ディープ・クリーニング)
⑤3DS除菌(当院で)
お口の中をきれいにした後、でき上がったマウスピースに薬剤(抗菌剤や殺菌剤)を入れて上下の歯に各々5分間装着します。
⑥3DS除菌(ご家庭で)
夜、寝る前に歯をよく磨いた後、マウスピースにこちらがお渡しした薬剤をいれて、上下の歯に装着し、そのまま就寝してもらいます。(7~10日間)
また、除菌効果を高めるために、抗生物質を3日間服用していただきます。
⑦3DS除菌(当院で)
当院でまたお口の中を清掃後、2回目の3DS除菌療法を行います。
~約2ヶ月後おいて~
⑧細菌検査
3DS除菌療法の効果を調べるために、再度お口の中の細菌検査を行います。
⑨評価
細菌検査の結果を詳しくお話して、今後お口の健康を維持するためにどうしていったらよいか適切なアドバイスをいたします。
3DSのその他の活用法
3DSは、歯周病の除菌だけでなく、次のようなことにも役立ちます。
①むし歯の除菌
②カンジダ菌(カビの一種)の除去
③口腔乾燥症(ドライマウス)の改善
④口臭の改善
⑤脳梗塞、心筋梗塞の予防
⑥肺炎の予防
⑦糖尿病や腎臓病の予防や改善
⑧早産や低体重児出産の予防
⑨関節リウマチの予防や改善
⑩ペースメーカー、血管内ステント、インプラントの感染予防
(各々、治療する目的によって、使用する薬剤も変わります)
☆お口の健康のためだけでなく、全身の健康のためにぜひ3DSを活用してください!