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有賀歯科医院 ニュースレター №3
2013.04.15発行
少しずつ暖かさが増し、春の訪れを感じるようになりましたが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか? この時期は色々な花が咲き始め、心も明るくなりますね!足取りも軽くなり、散歩に行こうかなと思う日が増えてくるでしょう。
一方で、花粉症の方にとっては少しつらい季節です。PM2.5や黄砂などもメディアをにぎわせていますね。正しい知識を身につけ、多すぎる情報の中から必要な情報だけを選び、自分の健康を守っていきましょう。
花粉症は食生活で軽減できる
くしゃみ、鼻水、目のかゆみなど、アレルギー疾患の一種である花粉症。この疾患は年々増加傾向にありますが、これは食生活の欧米化でタンパク質や脂質の摂取量が増えたこと、加工食品に含まれる食品添加物、大気汚染などが深く関わっているとされています。
花粉症は薬を飲まなければ治らない!そう思っている方もいるかと思いますが、実は食生活の改善で、つらい症状を軽減することができるようです。バランスのとれた食事が基本ですが、免疫の働きを整え、アレルギー症状を防ぐ栄養素を積極的に取り入れてみましょう。
1. ビタミンB6 → 免疫の働きを正常に維持します。レバー、魚の赤身、ピーナッツなど
2. ビタミンC → アレルギー症状を抑えます。ブロッコリー・ピーマンなどの緑黄色野菜、レモン・イチゴなどの果物
3. タンパク質を摂りすぎない!!肉や卵の過剰な摂取は控えましょう。
他にも甜茶や緑茶、ヨーグルトなども症状を和らげてくれるようです。 効果には個人差があるようですが、ぜひ試してみてください。
口呼吸は怖い
花粉症や鼻炎などにより鼻がつまると、鼻で呼吸することが難しくなり、口で呼吸するようになります。
これを口呼吸といいます。鼻には空気中の細菌やウイルスが体内に入らないように防御する役割があります。鼻の粘膜には抗菌作用のある成分が含まれ、鼻毛などが細菌やウイルスを防ぐ網となります。
さらに、吸い込んだ空気に適度な湿り気を与える「優れた加湿器」としての機能もあります。
口呼吸になると、ウイルスが直接体内に入り込み、のどを痛めたり、風邪をひきやすくなります。また、いびきや不眠、注意力の低下なども口呼吸が一因だと言われています。また、口呼吸をすることによって口の中が乾燥すると、唾液によってバイ菌が洗い流されなくなったり、歯茎の抵抗力が落ちて、虫歯や歯周病にもなりやすくなります。
さらに、義歯が安定しなかったり、舌に汚れが付きやすくなります。
口で呼吸するということは、こんなにも沢山の問題が生じてくるのです。
つまり、花粉症の症状を軽減させ、鼻で呼吸することは、歯やお口の中だけでなく、全身にとって大変意味のあることなのです。
⇒⇒⇒ 口呼吸を改善するコツ
- 意識して常に唇を閉じ、鼻呼吸を心掛ける。特に何かに熱中しているときが注意です。
- 口の周りの筋肉を強化するため「あいうべ体操」(下の図を参照)を行う。
- 口を閉じる筋肉を鍛えるため、食事の際は口を閉じ、1口30回両側で均等に噛む。
- 鼻呼吸を促すグッズを使用する。
福岡市の「みらいクリニック」院長、今井一彰さんが提唱している口の体操。口を大きく「あ~」「い~」「う~」「べ~」と、できるだけ大げさに動かす。声は小さめに。「あいうべ」が1セットで、1日最低30セットを行う。
あなたの身近にあったPM2.5
最近よくニュースで目にするようになったPM2.5ですが、これは微小粒子状物質とも呼ばれ、直径が2.5μm(=マイクロメートル、1ミリメートルの1000分の1)以下の超微粒子のことを指します。
このPM2.5は、今年1月に西日本で高い数値が観測されたことがキッカケで話題となり、中国での大気汚染が日本にも影響を与えていると考えられ、日本ではPM2.5を常時観測することになりました。
しかし、実はPM2.5はもっと身近なところに存在しています。それはタバコの副流煙です。
日本の環境省が出した基準値(※)は1日平均35μm、外出自粛を呼びかける値は70μmですが、自由に喫煙できる居酒屋のPM2.5の濃度は、空気1立方メートル(1m×1m×1mの箱を想像してください。)あたり568μm。完全分煙していない禁煙席でも365μmに達します。
ニュースでは屋外の大気汚染ばかりを問題として取り上げていますが、実際はたばこの煙の方が有害性が高いということを認識する必要があります。
PM2.5はとても細かい物質なので、気管を通過しやすく、肺など気道より奥に付着するため、ぜんそくや気管支炎、肺がんなどの呼吸器系への影響が引き起こされると考えられています。 また、循環器系への影響なども懸念されており、人体への影響はかなり大きいでしょう。
PM2.5を吸い込まないためには、マスクをつけたり、たばこの煙を吸ってしまうような場所を選ばないなど、各自で積極的に予防していくことが大切です。自分の健康は自分で守りましょうね!
※基準値とは、人が健康を保つために維持されることが望ましい値のこと。
歯周病の治療はどのようにするのですか? PART2
前回は「歯磨きにも歯周病の治療効果がある」ということをお話ししました。
歯磨きがひととおりできるようになったら、次は歯科衛生士が歯磨きだけではとれない歯石、着色、細菌を特殊な器具を使って、徹底的に除去していきます。それらを除去することによって、歯周病の原因となる細菌が急激に減少し、歯ぐきの炎症がかなり軽減します。
つまり、歯ぐきからの出血、歯ぐきの腫れもひいて、あなたの歯ぐきの色もピンク色に近づき、ツヤもよくなり歯ぐきが引き締まってきます。
このスケーリング(クリーニング)をあなたの全部の歯に対して施すとなると、やはりそれなりの時間がかかります。非常に固い歯石が歯にこびりついていたり、歯がぐらついている場合などは、その分大変な労力を要します。
ただ歯石を何カ月、何年も放置しておくと、歯石の凹凸した部分によけい歯周病菌が増殖してしまい、歯周病の症状がさらに進行してしまいます。
「自覚症状がなくても、歯を支えている骨が溶けてしまう」-これが歯周病の恐ろしいところ!
まずは、あなたが行うブラッシングと私たちが行うスケーリング(クリーニング)で、歯周病菌を退治しましょう!
歯周病が軽度であれば、ブラッシングとこのスケーリング(クリーニング)で、治療は一応終了となります。
あとは3カ月ごとの定期検診でチェックしていけば、かなり良い状態を維持できるでしょう!
次回は、さらに歯周病が進んだ場合の治療○○○・○○○○○○です。
口呼吸にひそむ危険
口呼吸が増えている
わたしたちは本来、鼻で息を吸って鼻から息を吐いています。しかし、鼻からではなく口から息を吸って口から息を吐く人が増えています。それを口呼吸といいます。
鼻の粘膜には繊毛(せんもう)と呼ばれる細かい毛がたくさん生えていて、ほこり、ウィルス、細菌等の異物が体内に侵入してくるのを防ぐ役目をしています。ところが、口で呼吸をすると、ウィルスや細菌などを含んだ冷たく乾燥した空気を直接体内へ取り込むことになり、のどの乾燥や、ウィルスや細菌によってかかる病気のリスクが高まります。
口呼吸によるお口の中への悪影響について
唾液にはお口の中を清潔に保ち、虫歯を予防する働きがあります。そのため口呼吸が続くと、唾液の量が減り唾液の自浄作用が低下し、虫歯や歯周病へのリスクが高くなります。そして口臭の原因にもなります。
歯並びの乱れも引き起こす
また、鼻呼吸で口を閉じている時には舌の先が上顎に軽く触れますが、口呼吸は呼吸しやすいように無意識に舌の位置を動かすことで、常に口を開けてしまうので舌の位置が下がってしまうことが多いです。そのため歯が舌に押されることにより、顎の成長に支障をきたし、歯並びの乱れを引き起こします。
他にも発音がはっきりしなくなったり、口を開きながらくちゃくちゃと音を立てて食事をするようになったりもします。
考えられる原因
口呼吸になってしまう原因はさまざまですが、次のようなものが考えられます。
・アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などで鼻がよくつまる。
・鼻腔をしきる鼻中隔が曲がっているなど、鼻の構造に問題がある。
・アデノイドといわれる鼻の奥の扁桃腺が大きい。
・歯並びが悪い。出っ歯で口が閉じにくい。
・口の周りの筋肉が弱い。
日本人は口呼吸になりやすい
以上の特徴がない人でも、幼児期に口呼吸の癖がついてしまうと、そのままになってしまうことが多いです。また日本人は口呼吸の割合が高いです。欧米に比べて離乳時期が早いためと言われています。鼻呼吸が定着する前に口呼吸を覚えてしまうからです。そうならないためにも、欧米のように3~4歳までおしゃぶりを使うと効果的です。
一度医院へ
鼻やのどの病気が原因であれば耳鼻咽喉科へ、歯並びが問題なら矯正歯科で治療を受けましょう。治療を受けることで、口呼吸の改善が望めます。鼻呼吸を意識して行うことで改善する軽い症状の場合もありますが、無理して鼻呼吸へ変えようとすると酸素欠乏になり、頭痛や筋肉痛などの症状が出ることもあります。医療機関を受診して相談するのが安全でしょう。
歯並びが悪い原因は?
気になる歯並び
歯並びがよくないと見かけもよくないですし、気になりますよね。
その他にも、歯並びが悪いと発音が悪くなってしまったり、歯の大切な機能である“噛む”という機能を充分に活用することができません。
また、歯並びが悪い為に、ブラッシングをしても、歯ブラシの毛先が行き届かなかったりして、磨き残しができて虫歯、歯肉炎、歯周病になりやすくなってしまいます。
では、歯並びが悪くなる原因は何なのでしょうか?
1、遺伝的なもの
顔や、体型が親に似てくるのと同様で、顎の大きさや形も遺伝によってある程度決まってきます。
2、いろいろな癖
指しゃぶり、頬づえをつくなど悪い習慣を続けることで、顎の骨が変形してしまい、歯並びが悪くなることがあります。
その他にも、舌を突き出す癖や、噛み癖なども原因となります。
また、口呼吸も歯並びを悪くしたり、顔の発育に影響をあたえられていると考えられています。
3、虫歯
永久歯が生えてくる時、乳歯は永久歯の生えてくる場所を確保する役割があります。
そのため、乳歯が虫歯になってしまっていて、そのまま放置して形が変わってしまったり、抜歯をした場所をそのままにしておくと、永久歯が正しい位置に生えずに、歯並びや噛み合わせが悪くなることがあります。
また、大人になってからの抜歯も同様で、抜いたまま隙間を放置してしまうと、歯が動いたり、親知らずに押されたりして、歯並びやかみ合わせが悪くなることがあります。
4、食べ方
子供時代に、よく噛まなくても食べられる軟らかい食べ物ばかり食べていると、顎の成長期に顎が十分に発達できないので、小さくなってしまいます。
その結果、小さい顎に大きな歯が生えてくるわけですから、歯がきれいに並ぶ為の十分なスペースが確保できず、前後にデコボコとした歯並びになってしまいます。
5、口呼吸
鼻炎や扁桃腺肥大などの症状があり口呼吸を続けると、唇で歯を押さえる力が弱くなり、口の筋肉のバランスが崩れて出っ歯や受け口の原因となったり、位置が異なったりします。
このように、歯並びが悪くなる原因には、いろいろありますが、癖や食べ方は気をつければ改善できますし、虫歯もきちんとしたブラッシングができれば予防できます。
自分でできることから少しずつ始めていきましょう!