有賀歯科医院は「歯の健康は全身の健康のもと」と考え、患者さんと長くお付き合いができる、親切で安心な歯科医療を目指しています。
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舌癌ってなに?

舌にもガンが?!

舌といえば、味覚を感じるのに大変重要な働きをします。その他にも食べ物を飲み込む時、言葉を話す時にも使われ体の中でも重要な役割をもっています。

その舌も癌に侵されることがあるのをご存知でしょうか。

半数以上が舌癌

舌癌は、胃癌や乳癌、肺癌などにくらべると症例は少なく、患者数が多い癌ではありません。

しかし、進行が早い癌なので注意が必要です。

お口の中に発症する癌(口腔癌)の中には他にも歯肉癌などがありますが、その中でも舌癌は半数以上を占めます。

しかし、先述のように患者数が多い癌ではないので、癌患者全体で言うと3%ほどにとどまっています。

1.症状

・色の変化

舌全体を見たときに周りと比べて白っぽくなっていたり、赤くなったりします。

※白板症、紅板症などの可能性もあるが、その場合でも舌癌になるリスクが高いです。

紅板症は約5割が癌に発展する可能性があります。

・舌にしこりができる

最初のうちは口内炎と勘違いされることがあるようです。

口内炎は1週間ほどで治りますが、なかなか治らない時や、口内炎の薬を使用しても効果がみられない場合は舌癌の可能性があります。

・舌の痛み

初期に痛みがでるケースは3割程度といわれています。

痛みがないからといって知らないうちに癌が進行している場合もあるので、注意が必要です。

2.好発年齢

10代から70代まですべての年代でみられます。

3.男女比

患者の男女の比率は男2:女1で男性のほうが多くなっているようです。

4.原因

・飲酒や喫煙

飲酒や喫煙と癌との関連性は明らかになっていませんが、非喫煙者にくらべて喫煙者の舌癌のリスクは約3倍となっています。

・歯並びや合わない入れ歯

歯並びが悪い人や合わない入れ歯を入れている人は、歯の当たりが一部強かったり、入れ歯が舌にあたるなどの刺激が継続的に行われることでリスクが高まると言われています。

5.予防

・口腔内の衛生面

歯石や歯垢があり、口の中が不衛生という状態が長期間続くことも舌癌のリスクを高めます。食事の後は歯磨きをするなどの習慣をつけて口腔内を清潔に保ちましょう。

・食生活

バランスの良い食事をとるようにしましょう。辛いものを食べ過ぎると舌への刺激が強くなります。
高塩分の食品も避けるようにしましょう。

予防には生活習慣の改善

舌癌を予防する為にも食生活や生活習慣を改善するということが大切です。舌は鏡で見ることができるので、日ごろからおかしいところがないかなど観察してみましょう。

もし舌癌かなと思ったら口腔外科か耳鼻咽喉科に相談するようにしましょう。

いびきと舌癌の関係~その2

ネット検索で「いびきと舌癌」は無関係と早合点した人は要注意。

4~5年前ならいざしらず、さすがに最近ではYahooやGoogleの検索結果を鵜呑みにする人は減ったと思いますが、「acドメイン絞り込み検索」などのテクニックを駆使して辿り着いた検索結果ならば、ある程度信頼しても良さそうです。
ところが、前回の「大学関係の情報の上位100件までの抄録部分の記載を見る」という方法は、かなり信頼性のある方法ですが、実は落とし穴もあります。それは「同義語検索の限界」ということなんです。

自分で調べてみましょう

このお役立ち情報では、お口の健康情報を提供するとともに、患者さんたちが自分でネットを色々調べる方法についても解説しています。それは「情報開示 自己責任」という健康管理に関する基本的な考え方と、「私達の言うことを鵜呑みにしないで、いろいろ調べてね」というスタンスでもあります。

健康管理は自己責任です

患者さんの中には「お前は歯医者なんだから、治すのはお前の責任だ、サッサと上手にやれ」という姿勢の人が時々います。こちらでは「病気になったのは貴方ですよ、私たちが病気にしたのではないですよ」と言いたいのですが、往々にしてそういう患者さんは聞く耳を持たない人ばかりですから厄介です。やはり健康管理は自己責任、医療は公的なもので限界もあるということをご理解頂きたいと思っています。

少し話がそれてしまいましたが、何が言いたいかというと、医療や健康管理にとって、もっとも大事なのは情報であり、全ての患者さんが最新の情報を簡単にわかりやすく入手でき、その上で自己責任で病院を選び、治療方法を選択できるというのが理想だと思っているので、いろいろな検索方法などもご紹介している次第です。

同義語検索

本論に戻りましょう。「同義語検索」というのは、「舌癌」とか「いびき」などの検索語そのものではなくその同義語に基づく結果も表示する機能で、Googleが2010年1月から正式に取り入れ始めました。もちろんGoogleでは、ずっと以前から関連キーワードや類義語なども考慮した検索結果を表示していましたが、公式な表明が行われたのは最近のことなんです。

http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1001/20/news082.html

Googleは同義語による検索結果に関する研究を5年以上続けており、その精度は同義語を含む結果を持つ検索50件につき、不適切な結果はわずか1件だったということで、かなりの精度ではありますが、実は完全ではありません。

信頼しすぎには注意!

例えば、「舌癌」と「舌がん」では検索結果が、834000件と295000件というように、かなり違ってきます。この両者を検索する人のニーズは、まあ、ほぼ同じなワケですから、「同義語検索」を信頼しすぎるのは、時期尚早ということが言えます。

結果として・・・・

では前回お話した「舌癌といびき」の関係ですが、「舌癌 site:ac.jp」の検索結果100件の抄録には「いびき」というキーワードは出てきませんが、「舌がん site:ac.jp」の検索結果の方には4件の抄録に「いびき」というキーワードが含まれており、やはり「やや関係あり」ということがわかります。

いびきと舌癌は関係があるか

インターネット時代

すでに番組としては終了した「タケシの本当は怖い」は、かなりインパクトのある番組でしたね。

インターネット時代のいいところは、こういうおもしろかった番組の過去の抄録が、番組ホームページで見られることです。ちなみに同番組の場合は2004/04/13放送が第一回のようで、なんと初回番組の内容が「本当は怖い虫歯~虫歯が引き起こす恐怖」で、「いびきが舌癌の最終警告」という衝撃の内容でした。

腫れた舌が気道を塞ぐ

気の早い方は「いびきをかくと舌癌になるのか??」と思われるかもしれませんが、それは違います。どういうことかと言いますと、同番組の説明によると「ガンで腫れあがった舌がのど元に垂れ下がったために、気道が狭くなり、いびきをかくようになったのだ」ということのようです。

たしかに三段論法のようなもので、その通りではありますが、この論法は少し気になりますね。さっそく、いつものようにネットを駆使して「ウラ」を取っていきましょう。

ウィキペディアより

まずいつものようにフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』で「舌癌」を調べ、そのページ内で「いびき」というキーワードがあるかどうか調べてみました。結果はゼロ。では逆引きでやってみましょう。

ウィキペディアで「いびき」を検索して、ページ内検索で「舌癌」を調べましたが、こちらもゼロでした。

Googleで検索

ただ、これだけで「舌癌といびきは無関係」と言い切れないので、直接Googleで「いびき 舌癌」と検索してみました。結果は12200件。ところが検索結果をよく見ると、案の定「タケシ、、、」「本当は怖い」「たけし、、、」などの番組内容に関連した書き込みが相当数ヒットしました。

そこで「除外検索」という方法で、「舌癌 いびき -たけし -タケシ -本当は怖い」と検索してみました。

除外検索結果

結果は11700件。上位表示からは「タケシ」関連のデータはなくなりましたが、これだけの数がヒットするということは、、、どうも関係はありそうな予感。ただ、知りたいのは「いびきをかくと舌癌になるか」あるいは「いびきは舌癌の前兆か」ということなので、もう少し調べてみます。

大学関係の情報だけピックアップ

今度はGoogleで「いびき」と検索して、さらに「acドメイン絞り込み」を併用しましょう。これは以前も書きましたように、大学関係の情報だけを検索する高等テクニックでしたね。まず「いびき site:ac.jp」のヒット数は3360件。検索結果の上位100件までの抄録部分だけをザッと見渡しても「舌癌」の記載はなし。逆引きで「舌癌 site:ac.jp」のヒット数は11300件。上位100位以内の抄録部分に「いびき」の記載なし。

「acドメイン絞り込み」で表示される検索結果は、大学関係の論文なども多数含まれているため、他の情報に比べて「抄録」がきちんと書いてある場合が多く、その中の上位100件に「いびき」や「舌癌」の記載がないということは、どうもあまり関係ないらしいですね、、、と言いたいところですが、、、。
実は、この検索方法には致命的な欠点があったのです。では、その致命的な欠点とは、、、。

病を招く危険な歯並び、ご存知でしたか

危険な歯並びって?

「たけしの家庭の医学」って、患者さんの心理をつかんでいますね。
「危険な歯並び」、少し解説してみましょう。

先日放映された「たけしの家庭の医学」で、「病を招く危険な歯並び」というセンセーショナルなタイトルで、歯列不正が取り上げられていました。その内容は、ズバリ「歯並びが原因で舌癌になった」というもの。この話題については、歯科医師たちのメーリングリストでも話題が沸騰していました。

歯並びの悪さでガン?

番組によれば、舌癌の最大の発症原因は喫煙と過度の飲酒で、「不良補綴物(合わない被せモノ)」や「虫歯の放置」などがそれに続き、歯並びの悪さも、ガンを発生させてしまう危険因子と考えられていると言う。

それってホント??と思うのが多くの人たちの本音だと思うが、ネットで調べる限り、間違いではないようだ。

舌が慢性的刺激に

と言うのも、何らかの慢性的な刺激がガンを発生させてしまうことはよく知られており、舌癌も例外ではない。なにしろ歯と舌は24時間365日、一時も離れずに接触を繰り返しているのだから、それが「何らかの慢性的な刺激」と言うのであれば、これほどの「慢性刺激」はないだろう。

ウィキペディアより

しかしフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によれば、「舌癌」の原因として「慢性刺激」は示されていない。もちろんWikipediaは万能ではないし、間違いが指摘されることもある。同事典の「医療に関する記事については免責事項もお読みください」という注釈を読むと、「いかなる記事もその正確性はまったく保証されていません」とある。

では舌癌の原因として歯列不正はどうなんだろう。

舌癌 site:.ac.jp

今度は以前にもお話しした「舌癌 site:.ac.jp」で検索してみましょう。これは大学関係のホームページだけを検索する方法でしたね。結果は11200件もヒットしました。それらのひとつひとつの論文にまでは当たれませんが、抄録を走り読みする限りは「極めて深刻」というほどではなさそうですね。

どうしてこんな大雑把なことが言えるのか、怪訝な気持ちの方も多いでしょうね。もちろん、抄録と言ってもGoogleの検索結果に表示されたものを走り読みしているに過ぎないので、どれほどの信頼性があるかは、それこそ「正確性はまったく保証していない」ものなのですが、実はこんな方法もあるのですね。

ページ内検索

まずGoogleの検索オプションという頁を開いて、検索結果の表示数を10件から100件に変更します。その上で、ページ内検索という方法で「歯列」とか「歯並び」を調べてみると、100件の検索結果の抄録のどこにも書いていない事がわかります。

もともとインターネット上の情報は学術論文を中心に普及してきた経緯があり、Googleが論文から抄録を抽出する精度はかなり高いと言われています。ただ、この結果を見て、「舌癌と歯列不正」の因果関係をご判断していただくのもよろしいのですが、もし少しでも心配がある場合は、歯科口腔外科を標榜している専門医の受診をお勧めします。

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