有賀歯科医院 ニュースレター No.14

過ごしやすい季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
有賀歯科医院に来院されているみなさんに、ニュースレターを通じてより健康への関心が高まり、良い刺激となれば嬉しいかぎりです。
今後も頑張って作っていきますので、是非楽しみにしていてください。

前回のニュースレターはこちらです⇒ニュースレター№13

花

「口内炎」について

ニュースレターNo13に引き続き、「口内炎」についてお伝えします。

「口内炎」と呼ばれる炎症症状には、「アフタ性口内炎」「カンジダ・ヘルペス感染症」の他にも全身疾患の症状が現れるものや、かみ傷、前がん病変なども含まれます。

全身症状がお口に出る場合

まれにこんな病気が原因で口内炎ができることがあります。

自己免疫疾患

唾液の分泌が減って口腔内の粘膜が乾いてしまうシェーグレン症候群は、本来は体外から侵入してきた異物を攻撃して体を守る役割を持つ免疫が、間違って唾液を分泌する唾液腺や涙腺を攻撃してしまう自己免疫疾患のひとつです。

シェーグレン症候群はドライマウスの原因の1つとしてあげられますが、お口の粘膜や舌などが乾燥することにより赤くなってヒリヒリと痛むこともあります。

三大唾液腺

シェーグレン症候群の症状の強い方の舌

その他、貧血鉄分ビタミン欠乏が原因で口内炎が起こる場合もあります。

かみ傷から前がん病変まで

かみ傷・すり傷

咬み合わせが安定しなかったり、歯の被せものが合わない、入れ歯が動く、歯が欠けて鋭くなったなどの原因でお口の粘膜にかみ傷、すり傷を作ってしまうことがあります。

舌の先や縁、頬の粘膜に繰り返し作ることが多く、そのたびにバイ菌に感染してアフタに似た痛みが出ます。

お口の粘膜は修復が早いので、数日安静にしていれば治ってきます。
しかし慢性的に傷を作っていると、がんができやすくなるなどのリスクが生じますので、必要な治療を受けて傷ができないようにしましょう。

藤

かみ傷・すり傷

ニコチン性口内炎

喫煙者、特に喫煙歴の長いヘビースモーカーの患者さんによく見られるのが、ニコチン性口内炎です。
上あごの粘膜が硬く厚くなってしまいます。タバコの煙に含まれるニコチンなどの化学物質や、熱の刺激によるものと考えられています。

上あごの粘膜が厚くなってシワがより、唾液腺が腫れてポツポツと赤くなりますが、通常痛みはなく時々しみる程度です。タバコやパイプをくわえる側の上あごに症状が強くでます。

禁煙して数ヶ月で改善してきますが、すでにタバコの害が粘膜組織に重大な影響を与えていますので、その後も粘膜の変化に気をつけて、前がん病変ができていないかなど経過を見ていく必要があります。

たんぽぽ

長年パイプを吸っていた方の上あご

前がん病変

将来、がん化する可能性があるのが前がん病変です。通常は痛みがなく、そのため放置しがちです。
少し盛り上がったり、しこりやただれがあり、一見アフタに似ていることもあります。

しかし2週間くらい様子を見ても治らなかったり、薬を塗っても良くならない場合には、組織検査をして判明することもあります。

正確な診断は組織検査をしないとできません。また治療の必要がなくても、必ず経過観察を受けることが大切です。

前がん病変

定期的なメインテナンスと粘膜チェックを受けましょう

お口の中は過酷な刺激にさらされている場所です。様々な原因でできた傷や水疱などの周りに感染が起きて赤く腫れ、もともとの姿が分からなくなってしまうことがしばしばあります。

お口の粘膜は消化管とつながっているため、胃や腸の病気の症状が現れることもあれば、からだの皮膚ともつながっていて、その影響も現れてくることがあります。

クローン病(腸の慢性疾患)や潰瘍性大腸炎では、消化管全体に炎症が起きるため、お口の中にも口内炎ができることがあります。
また、自己免疫疾患のうち皮膚や粘膜の成分を攻撃する抗体ができてしまう病気では、お口の中だけでなく全身の粘膜や皮膚に水泡ができて痛むものもあります。

全身疾患の症状がお口の粘膜には現れやすく、見分けがつきにくい口内炎ですが、何か変だなと思う時は念のため、私たちにご相談ください。

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