日中は汗ばむほどの陽気となりました。
有賀歯科医院に来院されているみなさんに、ニュースレターを通じてより健康への関心が高まり、良い刺激となれば嬉しいかぎりです。
今後も頑張って作っていきますので、是非楽しみにしていてください。
ニュースレターNo13・No14では、「口内炎」と総称される様々なお口の中の炎症症状についてご紹介しました。
口内炎はストレスなどの体力低下や栄養の不足が原因のひとつになることがあります。
このような症状は口内炎の他にも様々なものがあり、つらい症状の改善に栄養バランスのとれた食事が重要になる場合があります。
口腔に現れる様々な症状
口角炎
お口の端が横にさけるように切れ、痛みが生じる口角炎。
お口をあけるときに痛み、つらい思いをされる方もいます。
口角炎の原因菌は常在菌のカンジダ菌で、免疫作用の低下などにより増殖して症状を起こします。また、シェーグレン症候群やドライマウスの症状のひとつとしてみられることもあります。
治療としては抗真菌薬やビタミン剤、軟膏が処方されて、3日くらいで改善することが多いですが、栄養バランスの良い食事を心がけることが大切です。
舌炎
舌が赤くなっている場合、血液濃縮や循環不良が起きていると考えられます。
また、発熱や炎症などで血液の増加がある場合も舌の赤みが増します。
・脱水傾向・高熱・重度の肺炎・化膿性感染・慢性消耗性疾患・喫煙・水分の欠乏
などの全身状態が影響していることがあるとされますが、栄養素としてビタミンB群の欠乏も疑われます。
院長の『健康長寿アドバイス』
このコーナーでは、私、院長がお口の健康だけでなく、全身の健康の維持・増進のために役立つ情報を当院にいらっしゃる患者さんに伝えていきたいと思います。
もちろんすでにご存じのこともあるかもしれませんが、その場合は自分が正しく実行できているかどうか、確認の意味で読んでいただけたらと思います。
さて、第一回は「命の根源ー水」についてです。
新生児は、体重の80%が水分ですし、成人でも65~70%、高齢者でも60%弱とカラダの半分以上は水でできています。
水分が不足すると、脱水症状や熱中症になりますし、逆に過剰に摂取すると内臓に負担がかかり体がだるくなったり、むくみや消化不良を起こすこともあります。
では人間は毎日どれくらいの水を摂取すればよいのでしょうか?
毎日尿や便で約1ℓ、皮膚や呼気から約1ℓ排出されますから、私たちが生きていくのに必要な最低限の水分量は約2ℓということになります。
一日2リットルを目安に
もちろん必要な水分摂取量は年齢、体調、気温、飲食物、唾液の量、汗をかきやすいかどうかなどによって個人差は出てきますから、一概に約2リットルと決めつけることはできません。
でも一応は、一日2リットルを目安に考えてください。
現代は地球の温暖化、エアコンの普及、食生活の変化によって「からだ自体が乾ききっている」ので、昔よりもますます水分補給が重要になってくるでしょう。
ですから、私たちは本当に意識して水を摂取しなければなりません。
また、年齢とともに血管や血液の状態も変わってきます。
特に夜中寝ているときは、水分補給ができませんので、血液がドロドロになってきます。
そうすると血管が詰まりやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞が睡眠時や午前中にかけて起こりやすくなります。
寝るときは枕元にペットボトルを置いて、もし夜中に目が覚めたら、一口でもいいので水を飲むようにしましょう。
私自身も夜中トイレに行ったついでに水を一口飲みますし、朝起きたらまずコップ1杯の水(からだが冷えない水温)を飲むことを習慣にしています。
先程、一日に必要な水摂取量は約2リットルと書きましたが、これは個人差もありますし、毎日欠かさず水を2ℓ飲むということはなかなか大変で現実的ではありません。
確かに純水を飲むのが一番良いのですが、水分はご飯、野菜、果物、おみそ汁などからも摂れます。
ただし、ここで気をつけていただきたいのは、利尿作用のある飲み物、たとえばカフェインを多く含む緑茶、コーヒー、アルコール飲料などの飲みすぎです。特にビールは、飲んだ量以上に尿として水分が排出される場合もあります。
(緑茶やコーヒー、ビールを飲んではいけないのではなく、飲みすぎないようにということです)
理想は純水1.5リットルその他で0.5リットル
理想を言えば、純水を1.5リットル、その他の飲食物で0.5リットルということになりますが、一番大事なのは、量よりもむしろ「喉が乾いた」「口が乾く」という状態をなるべく作らないことです。
唾液がもともと多いか少ないかで感じ方も変わると思いますが、この「口が乾く」という時点でからだ全体の水分がかなり不足している状態になっています。
また、便秘がちの人も水分不足の場合がほとんどです。
次にどんな水を飲んだらいいかということですが、私が子供の頃は水道水を直接飲んだり、井戸水も使ったりしていました。
でも、時代とともに、水源や水道管の汚染、老朽化などにより、今の水道水には殺菌上の理由で、塩素が家庭の水道水に残留していることが義務づけられていますから、人体にとっても好ましいとは言えません。
水道水を沸騰させることでも、ある程度の効果があるかもしれませんが、それでも一抹の不安が残ります。
水は確かにミネラルウォーターなどを飲むのがいいでしょうが、浄水器を通した水であれば問題はないでしょう。でも浄水器のフィルターは定期的に交換してください。
「どうしても水は飲みにくい」という方はカフェインが入っていない麦茶はいかがでしょうか?(当院の待合室にも置いてあります)
水の大切さは重々ご承知でしょうが、ご自身のからだの健康に結びつけて再考していただければ幸いです。