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口の中にカビが生える?!
お口の中のカビ・カンジダ
みなさんが生活していく上で、キッチンの洗い場やお風呂場などの水周りにはカビが生えやすいという事はご存知かと思います。
しかし、お口の中にもカビが生えるという事を知っている人は少ないのではないでしょうか。
口腔カンジダ症とは、お口の中にカンジダ菌(カンジダ・アルビカンス)という真菌(カビ)が異常に繁殖して起こる感染症です。
原因
口腔カンジダ症は、カンジダアルビカンスという菌が原因で起こります。
しかし、このカンジダ菌はみなさんのお口の中に常にいる常在菌です。
そのため、誰でもカンジダ症を起こすリスクを持っています。
カンジダ菌は常在菌のため健康な人には発症しません。特に発症しやすいのが、体が疲れているときや、風邪などで免疫力が低下している時、乳幼児や高齢者などの体が弱い人、癌の治療などで抵抗力が低下している時にカンジダ菌が増殖しやすくなります。
また、糖尿病や長期間抗菌薬を服用している方もカンジダ症を発症する原因の一つです。
症状
カンジダ症には急性型と慢性型があります。
・急性型
偽膜性
お口の中の粘膜の表面に、乳白色、灰白色の白い苔状のものができる。
形としては、斑紋状、点状、線状のものが付着する。
偽膜性はガーゼやティッシュでぬぐいとることができる。
萎縮性
白苔がないのが特徴。
偽膜性よりもヒリヒリとした痛みがある。
舌乳頭の萎縮など。
肥厚性
カンジダ症が長引いて慢性化したもの。
白苔は粘膜からはがれにくい。
粘膜の上皮がまだら状に厚くなる
治療法
内服薬、塗り薬、うがい薬などを服用する事で効果があります。
カンジダ症を発症しないためにも、お口の中の常在菌であるカンジダ菌を増殖させない事が重要になります。
口腔内は清潔に
そのために、お口の中を清潔に保つようにしましょう。入れ歯を入れている方は特に、入れ歯の素材にカンジダ菌が付きやすいので入れ歯を清掃する時は水だけでなく、専用のブラシや、入れ歯洗浄剤なども併用してこまめに洗うようにしましょう。
お口の中を見たときに白い苔のようなものが見られたら歯科医院に相談するようにしましょう。
有賀歯科医院 ニュースレター №2
2013.2.1発行
冬の寒さも厳しくなりましたが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか?
冬は特に、風邪やインフルエンザ、ノロウイルスなどの感染症に注意しなければならない季節です。これらを予防するためには、うがい、手洗い、マスクの着用がとても効果的です。
また、これらの病気は歯と同様に、ストレスや疲労などで体が弱ると発症しやすくなります。栄養と休養を十分に取り、一日一日を健康に過ごしましょう!
知っておきたい感染症
○インフルエンザとは
のどの痛み、咳、鼻汁に加え、悪寒、倦怠感、38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛など、全身の症状が強いのが特徴です。これらの症状は2~3日続きますが、場合によっては1週間近くかかることもあります。さらに、乳幼児や高齢者では肺炎や脳炎などを合併することもあります。感染経路は感染者の咳やくしゃみに含まれるウイルスを吸い込むことと、つり革やドアノブから手についたウイルスが口に入るなどです。インフルエンザには予防ワクチンがあるので、早めに接種して抗体をつくっておくことが効果的です。
○ノロウイルスによる感染性胃腸炎とは
下痢や吐き気、嘔吐、腹痛などの症状が1~2日続きます。発症しない場合や軽症ですむ場合もありますが、子供や高齢者は重症化しやすい傾向があります。感染経路は手や食べ物についたウイルスが口に入るだけでなく、感染者の汚物が乾燥してウイルスが空中に漂い、それを吸い込むことで感染することもあります。
予防ワクチンはないので、帰宅後や食事前、トイレの後は十分に手を洗いましょう。また、食品は十分に加熱し、調理器具を清潔に保ちましょう。
< 正しいうがい・手洗いの仕方 >
○うがいの仕方
小さめのコップに1/3程度の水(20ml~40ml)を口に含み、少し強めに15秒ぶくぶくと頬を動かしてゆすぎ、吐き出します。次に同量の水を口に含み、のどの奥まで水が届くようにアゴを上げて、15秒がらがらうがいをします。さらにもう一度15秒うがいをします。1日2~3回が目安ですが、帰宅後は特に念入りに行いましょう。冷たい風はのどや鼻の粘膜を乾燥させ、細菌やウイルスに感染しやすくなります。
○手洗いの仕方
手洗いでは爪の間や指のまた、親指のまわりに汚れが残りやすいです。まず手を水でよくぬらし、石鹸を手の平全体に広げます。しっかりと泡立てながら念入りに手の甲や手首まで洗い、水で十分に洗い流します。固形石鹸よりも液体石鹸の方が流れがよく効果的です。
☆マスクの使用
マスクをつけているとくしゃみや咳の飛沫を吸い込むことを防ぐことができます。さらに、のどや鼻の粘膜を保湿・保温してくれます。
粘膜の抵抗力を高めてくれるので、風邪の予防だけではなく、風邪を早く回復させてくれる可能性もあります。マスクはガーゼのものより不織布の方が織り目が細かく効果的です。
歯磨き粉のお話
●歯磨き粉の役割とは?
歯につく汚れには、大きく分けて2種類あります。ひとつは歯科疾患の原因となる歯垢(プラーク)。もうひとつは茶しぶなど食べ物に由来する着色汚れ(ステイン)です。
少し前までは歯磨き粉を使わないで磨くことを勧める歯科医院が多かったのですが、歯磨き粉は徐々に改良され、歯磨き粉を使うことで歯垢の除去率が高まったり、細菌の繁殖を抑制する効果が期待できるようになってきました。また、うっすらついた着色汚れを落とすことができるものもあります。
歯磨き粉は色々なメーカーから販売されており、虫歯を予防するもの、歯石の沈着を予防するもの、炎症を抑える効果のあるもの、知覚過敏を改善させるものなど、歯磨き粉によって入っている薬用成分が違います。よって、自分に合った歯磨き粉を選択すると良いでしょう。
●自分に合った歯磨き粉を選ぶには?
自分が虫歯を予防すべきか、歯周病を予防すべきかなど、歯磨き粉を使用する目的を考えてみましょう。子供の時は生えてきた歯を虫歯から守ることが大切ですし、思春期では歯肉炎になりやすくなります。また、成人すると歯周病予防に力を入れていかなければなりませんし、歯茎が下がって露出した歯の根は虫歯にもなりやすくなります。
このように、人には年齢ごとにライフステージがあります。そのライフステージに応じて歯磨きの目的・歯磨き粉に期待する効果は少しずつ違ってきます。
ちなみに、虫歯予防の場合は歯の質を強くするフッ素(フッ化ナトリウム・モノフルオロリン酸ナトリウム・フッ化第一スズ)の入った歯磨き粉、歯周病予防の場合は歯周病菌を抑制する成分(トラネキサム酸、イソプロピルメチルフェノール、塩酸クロルヘキシジン等)の入った歯磨き粉を使うとよいでしょう。各成分は歯磨き粉本体の裏側に書いてあるので、確認してみてください。
●効果的な使い方は?
歯磨き粉には適切な量があり、効果的に使うには大体1センチほどといわれています。
沢山歯磨き粉をつけて磨くと、お口の中が泡でいっぱいになり、長く磨くことが難しくなります。また、研磨剤の含まれている歯磨き粉で長時間磨きすぎると、歯が削れる恐れもあります。できるだけ最初は歯磨き粉をつけずに一通り磨き、よくすすいでから、もう一度歯磨き粉をつけて磨くようにしましょう。最後にゆすぐお水の量は少なめにするとお口の中に薬用成分が残るので歯や歯茎に効果的とされています。
昔と違って今や歯磨き粉は単に汚れを落としやすくするだけではなく、お口の健康を維持してくれる便利なサポートアイテムです。皆さんもご自分の使っている歯磨き粉を見直してみてください。
歯周病の治療はどのようにするのですか? PART1
患者さんからよくこのような質問をいただきますので、今回から歯周病の治療について説明していきます。
歯周病の三大原因は
- 細菌、
- 不良な咬み合わせ、
- 食べ物、喫煙、ストレスなどの生活習慣です。
特に一番の原因となる細菌を取り除き、減少させることが歯周病治療の主目的となります。
まず歯周病の治療は、どんなときでもブラッシング指導からはいります。「え~、ブラッシングって予防するためのものじゃないの?」と思われるかもしれませんが、プラーク(歯垢)を歯ブラシで除去することにより、
「歯ぐきの腫れが減った」
「出血が少なくなった」ということが多々あります。
これはブラッシングでプラーク(歯垢)を除去することにより、歯周病菌が減少し、歯ぐきの炎症が軽減するからです。
もちろん歯ブラシだけでなく、場合によっては歯磨き粉、フロス、インタースペースブラシ、コンクールなどの抗菌剤なども併用することも必要でしょう。 ブラッシング法は、歯周病が軽度か中程度か重症かによって変わってきます。 つまり、歯ぐきの腫れ、出血や痛みがあるのか?歯ぐきの下の骨はどのくらい溶けているのか?歯ぐきのぐらつきはどの程度か?・・・などを総合的に見て、あなたに合ったブラッシング法を選択して説明していきます。
また、歯ぐきの状態が変われば、歯ブラシの種類やブラッシング法もそれに合わせて変えていきます。
ブラッシング⇒細菌の除去⇒お口の健康⇒全身の健康
です。
どうか、「またブラッシングか~。」と思わないで、正しい磨き方を身につけてください。
あなたの健康のためですから。
ブラッシングは毎日する一つの習慣です。
誤ったやり方がしみついてしまうと、なかなかその習慣を自分一人で直すのは大変です。
定期健診で正しい磨き方ができているかどうかチェックするのも重要なポイントとなるでしょう。
次回は、〈 歯周病の治療はどのようにするのか? PART2 〉 ○○○○○編です!
歯周病は人類史上最大の感染症
感染者の多い歯周病
歯周病は人類史上最も感染者数の多い感染症とされ、ギネス世界記録にも載っているそうです。
全身の状態にも影響
歯周病は歯を失うだけでなく、心筋梗塞や糖尿病などの生活習慣病などを悪化させるなど、皆様の全身の健康状態に悪影響を与えます。厚生労働省の歯科疾患実態調査によると、歯周疾患に罹患している割合が、五十代の人で約半数に達しており、また高齢者の歯周疾患患者が増加していると言われています。
ウィキペディアより
フリー百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」で「歯周病(歯槽膿漏)という病気」を調べてみると、人類史上最も感染者数の多い感染症とされ、ギネス・ワールド・レコーズに載っているほどである。日本が「歯周病大国」と呼ばれているとの主張もありますが、一方では、この統計には8020運動の推進などにより、高齢者になっても残っている歯の本数が増加し、統計上は必然的に歯周疾患が増加しているという指摘もあります。
サイレントディシーズ
この病気は24~25歳頃から始まり、ゆっくり進行することが多いため、特に40大半ばからは進行が早くなり、歯がぐらぐらになって、抜歯や入れ歯となるケースが増えてきます。別名、サイレントディシーズ「静かな病気」とも呼ばれています。
なぜ歯周病(歯槽膿漏)という病気になるのでしょうか?実はこの病気は虫歯と同じ細菌感染症なのです。その細菌の固まりがプラーク(歯垢)です。ですからプラーク、あるいは歯石がついていないことが重要です。
歯石は自分ではとれない
太古の時代には人間は歯ブラシを持っていませんでしたので、理屈から言えば、プラークは健全な食生活で落とすことが出来ますが、歯石はブラシでは落とすことができません。そのため、歯石を取るためにはスケーラーという特殊な器具が必要で、この器具を使って歯科衛生士が歯石を取っていきます。
まずは禁煙から
つまり、毎日きちんと大切なご自分の歯を磨いても、いつの間にか歯周病(歯槽膿漏)という病気にかかっている可能性があるということです。歯石は歯周病(歯槽膿漏)という病気を引き起こす原因と考えられがちですが、歯石が病気を起こすのではなく、プラークの増殖を助けるため、定期的に歯石を取らなくてはいけません。歯周病には、これらのプラーク以外にも「歯にかかる過大の力」「ストレス」「たばこ」「糖尿病」などの原因が複合的に関与しています。この中で最も大きな危険因子が喫煙ですので、歯周病対策には、まず禁煙が必要です。
歯科医院でのチェック
「歯肉が腫れる」「歯肉から出血する」「口臭が気になる」「歯がグラグラする」などの歯周病特有の症状がなくとも、このような症状が現れる前に定期的に歯科医院で健康をチェックすることが大切です。
気になる方は受診を
「症状が気になったら、すぐに歯科医院を受診してください」と言っている歯医者さんは予防に熱心でない場合が多く、あまりお勧めできません。ただ、予防に熱心でない先生方(比較的古い世代の先生方)は、案外と抜歯が得意だったりするので、大切なご自分の歯を抜いてもイイと思っている患者さんにはお勧めかもしれません。